東急線沿線に30年以上お住まいの日比野玲・前田典子ご夫妻。ともにファッションモデルとして活躍するお二人に、歳を重ねるほど輝くためのヒントを伺いました。
日比野玲 1961年生まれ。メンズファッション誌の人気モデルの先駆けであり、現在も雑誌やブランドのアンバサダーとして活躍。俳優としても数多くの作品に出演し、台湾にも進出。近年はバラエティ番組に夫婦そろっての出演も多く、飾り気のないトークに人気が集まっている。
前田 典子 1965年生まれ。マチュア世代にカリスマ的人気を誇るフ ァッションモデル。愛称は マエノリ。 テレビやCMでも活躍する他、オリジナルブランドを手掛けたり、オンラインセレクトショップを開設するなど、活動は多岐にわたる。
日比野 | 夫婦で現役ファッションモデルということもあり、年齢を重ねるにつれ、仕事を一緒にすることが増えました。共通の楽しみはゴルフと温泉を巡ること。それ以外は、お互い自由に好きなことをしていますね。
「これからも新しいことにチャレンジしたいし、まだ見ぬ景色を見てみたい。」
前田 | 子どもが成人し、今は犬中心の暮らしに変化しました。これからも新しいことにチャレンジしたいし、まだ知らない世界を体験し、見たことのない景色を見てみたいですね。常に外に向いて動いている感じです。
日比野 | アクティブな妻と、なによりも朝のルーティンが大切な僕(笑)。早寝早起きし愛犬と散歩した後、コーヒー豆を挽いて、淹れる。そしてリビングでひとり、ゆっくりと味わうこの時間と空間が好きですね。
前田 | 朝の至福のひとときを邪魔しないように、その間、私は別の部屋で静かにしています(笑)。最近、人生100年時代という言葉をよく耳にしますが、先日、占い師さんから「あなた112歳まで生きますよ」って言われて。それならば、長く仲良く、ふたりでゴルフと温泉の旅を続けるためにも、まずは足腰鍛えとかなきゃと。もっと言えば、50歳半ばで始めた油絵、がんばったら画家になれるんじゃないかと思ったり(笑)。
「歳を重ねるということは、人生の楽しみが増えるということ。
楽しみが増えると、幸福度もアップするね。」
日比野 | 毎朝13歳の犬と散歩しているのですが、少しずつ老いていく姿を見て自分と重ね合わせています。元気を維持するためには何が必要だろうと自問してみると、ポジティブな気分になれるんですよね。還暦を過ぎ、若い頃には及ばない体力の衰えを感じることはあっても、老いというのは、若さや元気を失うことではなく、年齢を重ねるごとに人生の楽しみを増やしていけることなんですよね。
前田 | ゴルフに行くと私より年上の方が、生き生きとプレーされています。しかもパワフルでスコアも素晴らしい。そんな姿を見るととても刺激になります。夢中になれるものがあると、人はこんなに輝けるんだなと勇気づけられますね。
日比野 | 挑戦し続けたいアクティブな人、あるがままに人生後半をゆったり楽しみたい人、どちらのスタイルも尊いと思います。僕は、がむしゃらに働くというより、穏やかにプライベートを充実させたいフェーズになりました。夢は、故郷の岐阜で“田舎カフェ”を開くことかな。
前田 | デュアルライフ(二拠点生活)にも憧れますね。地方へゴルフに行った際、別荘地などを見て回ると、そんな暮らしもいいなあって。
日比野 | 人生後半、残された時間は思う存分自分のために使って楽しみたいですね。僕は、次第にモノを増やさなくなりました。シンプルな暮らしは自分を見つめ直すことにもつながるし、大切なことが見えてくるような気がしますね。
前田 | 毎年お正月にはノートを新調して今年やりたいことのTO DOリストを作っていたことがあります。自分の意思を整理することで、その時の決意や想いを振り返ることができるし、一歩を踏み出す原動力になりました。
日比野 | ポジティブに生きるための工夫だね。先の漠然とした不安を誰もが抱えているものだけど、この先何をすべきかの見通しがたてば、不安も解消されるのでは、と思います。
前田 | 周りで親の介護に関する話題が増える年代ですが、相続のことやお金の管理など事前に話しておけばかったというお話を聞きます。確かに元気なうちは、話題にするのがためらわれます。
日比野 | 重要なことを判断力の優れている時に話し合うのは、とても大切なことなのかもしれない。自分たちで解決が難しい場合は専門家に相談したりして、準備をしておきたいですね。自分たちだけでなく、大切な人にとっても安心感につながるのだから。